2011-05-02

演奏会を延期しました

この頃どなたとお話してても東日本大震災のお話のみで「どうしてこんなに無気力なのでしょう」で終わります。本当に社会全体がすっかり沈潜してしまって「どこかに行こう」とか「何かをしよう」とかの気持ちに動かなくなってしまいました。
私もこんなときに音楽会をやっても音楽を楽しむ気持ちには到底なれないとマネージャーとも話し合って6月の演奏会は11月に延期と言うことに決めざるを得なくなりました。
90年生きてこんなに世の中じゅうが沈み込んでしまったことなどありませんでした。戦争の時だって東京大空襲にしろ原子爆弾投下にしろあのすべてが破壊しつくされた惨状の中でも私たちは生きようという心を持っていました。だからこの無気力状態(頭がどう思っても体は動かない)は本当に人間の不思議さをまざまざとみせつけられたようで、ただ流れの中をアップアップしているだけなのです。
確かにわたくしはシューベルトの最後のソナタを聞いてその中に音楽が人間に与えてくれる力があることを感じました。
神様がシューベルトという天才を通じて私たちに語りかけてくれるものは本当に凄いと思いました。
でも何はともあれやっぱり“元気を出しましょう”でしょうか。
室井摩耶子